iZotope Ozone 9 レビュー
目次
Ozone 9 とは
iZotope社の誇るマスタリングツールです。
初代Ozoneが登場して17年経っていて、マスタリング統合ツールとしては老舗です。
Ozone 8でもかなり好評でしたが、バージョンアップした今回のOzone 9の実力はいかに!?
ということで、新機能を中心にレビューしていきます。
レビュー動画アップしました
本記事と併せて見ていただければOzone 9の概要が分かるかと思います。
Ozone 9の新機能
◆Low End Focus
新機能の中で一番すげえと思ったのがこの Low End Focus。
「新しく開発されたDSPを使ったローエンド処理に特化した機能」とのことで、難しかった2mixの低域処理を簡単にしてくれるツールです。
「Punchy」と「Smooth」の2つのモードがそれぞれキックとベース用途になっていて、「Contrast」でトランジェントの強調具合を調整します。
帯域は300Hzまで狙えるので、ベースとキックの調整には十分です。
同じく新機能のMaster Rebalanceと併用すればより細かく調整できるので、2mixの低域処理がめちゃくちゃ効率化できますね。
2mix音源からボーカル、ベース、ドラムのバランスを調整が可能なMaster Rebalance。
画像はボーカルをブーストさせています。
若干のいやらしさというか、うまいことほしいとこに掛かってくれない感じがありますが、微妙な調整だったら違和感なく使えます。
オートメーションと併用して、曲中の一部でボーカルのバランスを変えるとかもできますね。
ドラムのリバランスは使いたいタイミングが多いので実践的なツールですね。
Ozone 8からの改良点
◆Master Assistant
ModernかVintageの2つのスタイルと、ストリーミングかCDの用途を選択できるようになってます。
Vintageを選ぶとVintage系のエフェクトで構成されるようになり、落ち着いたコンプと、よりフラットな特性でEQが掛かる印象でした。
Modernはトランジェントを強調してくれるので通常はこちらで良い気がしますが、Ozoneが苦手としていた暖かく緩めの処理に対応した、ということですかね。
◆MatchEQ
Ozone 8では「Post EQ」の一部機能だったMatch EQが独立してパワーアップしたようです。
そもそもOzone 8でMatchEQ機能が使えたことを知らなかったので、レビュー動画では初見のように触ってますw
後で比較しましたが、Ozone 8だとMatchEQしながら通常のEQも同じ画面でできましたが、それが出来なくなってるのはマイナス面ですね。
解析結果は若干違うので、ここはより正確な解析ができてるということでしょう。
フィルターでEQの範囲を限定できるのもいい感じです。
Master Assistantでリファレンス音源にざっくり近づけて、Match EQで追い込みしていく、という使い方が良さそうです。
◆Imager
ImagerにmodeⅡが追加されてました。
よりトランジェントを保つそうで、比較すると確かに過剰にステレオ幅を広げても自然に鳴ってくれます。
これは地味ですが、僕はImagerだけ単体でボーカルやらギターやらに使ってたんで嬉しいアップデートです。
◆画面のリサイズが可能に
地味に嬉しい改善パート2がこちら。
Ozone 8はアナライザーやEQ画面が小さくでやりにくさを感じてたので、好きなサイズに変更できるのはポイント高いです。
追加出来るモジュールも6個→13個に増加している(全モジュール一つずつ追加可能)ので必要十分な感じですね。
◆総評
その他細かいところのアップデートがありつつも、全体感としては上記に挙げた内容がフィーチャー部分かと思います。
Ozone 8よりもかなり操作感が向上していて、新機能も使えるものが多かったんで、Ozone 8をメインに使ってた人にはアプグレをおすすめできる内容だと思います。
僕はOzoneがメインじゃないですが、Low End FocusやImagerなど個々の機能で使いたい部分はあるので、
急がないもののセール狙ってアプグレしようかなって感じですね。