あなたがもし自分のミキシングに迷いがあるなら、
「Seven Factors of Mixing」
を取り入れてみてはいかがでしょうか。
次につながる『技術』を習得するために、「正しい努力」をしてみませんか?
私が提唱する「Seven Factors of Mixing」はミキシングに必要な要素を分類したもので、
ミキシングエンジニアとしての個性形成や、スキルアップの指標になります。
ミキシングプロセスのボトムを支える3つのベーシックスキル、
個性形成の柱になる3つのアディショナルスキル、
そして共同制作には欠かせないコミュニケーションスキル。
これらを総合的に高めることで、ミキシング技術を正しく効率的に習得できますし、
ミキシングに重要な視点、感性、思考も備わります。
各ジャンルの特徴、楽器の鳴り方といった知識や、流行りの音の研究。
例えば普段クラシックしか聴いてない、またはクラシックの知識しかないエンジニアがロックやメタルといったジャンルをミキシングしようとしても、難しいことは想像できます。
自分の曲のミックスでも、普段聴いてるジャンルの幅が狭いと偏ったミックスになり、良い結果になりにくいです。
色んなジャンルの特徴を掴んだり楽器のおいしい部分を理解することは
音楽に関わるのであれば最低限知っておくべきことです。
また、流行りの音やジャンルの研究も、それに近づけるかは別として知っておくべきです。
古い音しか聴いてない人には現代の音は出せないので、対応できる幅が狭くなります。
音楽の進化と、レコーディング/ミキシング機材の進化。
それに併せて自身の技術もアップデートしていく必要がありますが、
同時に過去の技術はナレッジとして蓄積します。
常套手段が数多くあるミキシング技術の中で、音源に応じて最適な機材や手法を選択できるかは、どれだけナレッジを蓄積しているかに依存します。
機材は多ければ良いという訳ではないですが、やはり名機といわれる機材が何故そう言われているのか、どんな音が出るのかなどの知識は必要です。
良い音を知らなければ良い音は作れない。
どんな音が一般的に良い音と言われていて、なぜ良い音と思われているのか。音楽的知識や機材知識と併せて常に研究が必要です。
良い音を理解し適切な基準を立てれたら、手段は必然的に決まっていきます。
基準が曖昧だと仕上がりもバランスが悪くなりますし、基準にした音が良くないと当然仕上がりも良くないものになります。
また、基準を正確に捉えることは、「良い耳を持つ」ことに繋がります。
レコーディング/ミキシング歴史の中で確立された手法や、
ジャンルによって異なる適切なバランスの理解。
ミキシングの歴史という点で簡単な例を挙げると、一般的なポップスやロックといった楽曲のパンニングでドラムとベースをLチャンネルに、ギターは全部Rチャンネルに振ってミキシングする人は現在恐らくいないでしょう。
でもステレオスピーカーが発明された当初のThe Beatlesの音源は上記のようになってます。
現在の常識がなぜ常識になったのか、歴史を紐解くことでミキシングの理解が深まります。
作品の核(コア)を磨く。
その楽曲を最高の状態に仕上げるためには何が必要なのか。
均衡を保つことに専念するのではなく、作品の核(コア)を磨くという視点が重要です。
エンジニアというと単なる技術者と捉えられがちですが、私が考えるミキシングエンジニアは、オーケストラの指揮者のように、その楽曲に唯一の世界観を創り上げていくことが本質だと考えています。
従来の手法、学んだ知識、経験を一旦リセットすることも時に必要です。
例えば、自分が良いと思わない音も、他の皆は良いと思うかもしれない。過剰な自信は思考を止めてしまうものです。
自分の「型」を作ることは個性形成の上で重要ですが、「型」を「殻」にして閉じこもることはクリエイティブに欠ける行為です。
全ての状況、環境、思考をフラットに考え、そこから答えを導くことで新たな「型」が形成されます。
「良いミキシング」
への第一歩は
「積極的な意思疎通」
ミキシングエンジニアは多くの場合、クライアントの楽曲を手掛けることになります。
その時のコミュニケーションが不十分だと、エンジニアとクライアントの理想の音に
乖離ができてしまい、不必要な修正を繰り返すことになるでしょう。
共に作品を創り上げる意識と姿勢で、その楽曲が求める音は何か、その楽曲の核は何かを
積極的に意思疎通していくことが、「良いミキシング」のファーストステップです。
いかがでしょうか。
ミキシングエンジニアを目指している方、すでに活動されている方の多くは、
Background、Knowlege、Refarence、Generalといった要素は重要と考え
日々勉強したり、あるいは十分に備わっていたりしますが、
Artistic、Flexible、Communicationといった要素はどうでしょうか。
楽曲のコアは何か。クライアントが求めてる音は何か。
自分が解釈した方向性は正しいか。
この部分を考えながら実践している人はあまり見かけません。
理想のミックスとは、本当に上手いミックスとは、
普遍的なバランスやリファレンスは保ちながら楽曲の魅力を最大限に高め、
求められた以上のクオリティで、その楽曲独自の色に染めることではないでしょうか。
こういったクリエイティブな意識や思考は、
専門学校やスタジオでの作業では中々得られません。
エンジニア自身がアーティストとして活動することが、一番早く身につく方法です。
近年ではDAWを用いて作曲からミキシングまで行うアーティストが増えていて、
私もその中の一人です。
エンジニア目線では切り離して考えがちの楽曲制作とミキシングですが、
私は作曲の延長上にミキシングがあり、
ミキシングは楽曲制作の最終段階と捉えています。
最初にミキシングに興味を持ったきっかけは、
作曲時に思い描いた音と実際にスピーカーから聴こえた音のギャップ。
楽器それぞれの音は良い状態なのに、ミックスするとイメージと違う。
ここからどうすればかっこいいミックスに仕上がるんだろう。
この楽曲を最高にかっこいい状態で聴かせたい。
この思いが私のミキシングのルーツです。
あなたがもし自分のミキシングに迷いがあるなら、
「Seven Factors of Mixing」
を取り入れてみてはいかがでしょうか。
次につながる『技術』を習得するために、「正しい努力」をしてみませんか?
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